安斎 徹 教授
地球市民学科
より良い社会やビジネスをデザインします
持続可能なより良い社会やビジネスを如何にデザインしていくかを探求してます。大学教育の場で、未来を切り拓く女性人材を育てていくことにも注力しています。教員インタビュー
Q1
学生時代の思い出や打ち込んだことについて教えてください。
小学校はサッカー、中学?高校はハンドボールとスポーツ少年でした。読書も好きで、中学時代には毎年100冊程度を乱読していました。最近漫画化されて話題になった吉野源三郎氏の『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)が愛読書でした。高校時代には北陸や東北を一人旅しました。大学では軟式野球愛好会と法学研究会というサークルに所属し、楽しく過ごしました。民法のゼミナールでは、ゼミ合宿やゼミ旅行、実務研究会、他大学との交流など、1年中行事に追われていました。卒業論文のテーマは「環境保護とナショナル?トラスト運動」で、結果的に「Trust」という言葉との出会いが就職活動にも影響を与えました。友人と北海道や山陽?山陰、そしてヨーロッパを旅したことや、家庭教師に加えてホテルの客室係、クリスマス?ケーキ作り、球場の警備員、ボイラー室の清掃など多種多様なアルバイトに挑戦したことで、視野が広がりました。
Q2
先生が、ご自身の専門に取り組むようになったきっかけを教えてください。
大学卒業後は信託銀行に就職し、営業?企画?事務?海外?秘書?人事?研修など様々な業務を経験しました。ニューヨーク駐在、バブル崩壊時の融資担当者、社長秘書、部門の人事統括責任者などの仕事を通じて成長することができました。40代の半ばに学びへの希求が高まり、働きながら大学院に通い始めました。テーマは「企業人のボランティア」でした。ニューヨークでのスープキッチン(いわゆる「炊き出し」)、日本ナショナル?トラスト協会の環境保護活動など様々なボランティアに参加しているうちに、その意味をもっと探求したいと思ったことがきっかけです。勤務していた信託銀行では、CSR(企業の社会的責任)を立ち上げるプロジェクト?チームのメンバーになり、社会貢献型金融商品の企画に関わり、人材育成を推進する部署でも働いていました。51歳の時に、縁あってサラリーマンから大学教員に転身しました。
Q3
研究テーマの魅力や面白さはどのようなところにありますか。
第1に個人と企業と社会と個人の関係性の探究に関心があります。「個人の成長や幸福」「企業の発展」「よりよい社会の実現」という方程式を如何に解いていくかという問題意識を持っています。例えば、昨今話題の「働き方改革」も、個人の視座からは福利厚生の観点、企業の視座からは企業価値向上の観点、社会の視座からは社会変革の観点から俯瞰することで、見方が深まってきます。
第2に現場での実践を通じて大学教育の可能性を追求しています。ビジネス界から大学教育の現場に降り立ち、人材育成の観点から大学が取り組むべき大きな課題は、コミュニケーション、リーダーシップ、クリエイティビティの3つであると感じています。閉塞感漂う社会や企業に少しでも風穴を開けられるような元気と勇気のある人材の育成を祈念しており、目の前にいる学生の成長が喜びです。
第2に現場での実践を通じて大学教育の可能性を追求しています。ビジネス界から大学教育の現場に降り立ち、人材育成の観点から大学が取り組むべき大きな課題は、コミュニケーション、リーダーシップ、クリエイティビティの3つであると感じています。閉塞感漂う社会や企業に少しでも風穴を開けられるような元気と勇気のある人材の育成を祈念しており、目の前にいる学生の成長が喜びです。
Q4
学生へのメッセージをお願いいたします。
「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創り出すことである」と言われています。将来の予測が困難な時代にあって、目指すべき社会像を描く知的な構想力が求められています。一方で、多くの人が自分はクリエイティブではないと思っていますが、それは大きな誤解です。そもそも人間はみんなクリエイティブなのです。「デザイン思考」を提唱する世界最高のデザイン会社IDEOとスタンフォード大学dスクールの創設者であるトム?ケリーとデイヴィッド?ケリーは『クリエイティブ?マインドセット』(日経BP社)という本の中で「小さな練習や励まし」の重要性を強調しています。和気あいあいとして楽しい授業やゼミを通じて「小さな練習や励まし」の機会をたくさん作り、皆さん一人ひとりが「自分には創造力がある」という自信を持てるように応援します。このクリエイティビティ?コンフィデンスは筋肉のようなもので、努力や経験を積み重ねることで、強くしたり鍛えたりすることができるのです。さあ、未来に向けて羽ばたきましょう。
教員紹介
氏名 | 安斎 徹 |
フリガナ | アンザイ トオル |
職種 | 教授 |
所属 | 地球市民学科 |
取得学位 | 博士(学術) |
学位取得大学 | 一橋大学(法学士)、立教大学(修士(社会デザイン学))、早稲田大学(博士(学術)) |
最終学歴 | 早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了 |
専門分野 | 社会デザイン学、人的資源管理論 |
研究テーマ | 社会と企業と個人の関係性の探究に関心があり、また現場での実践を通じて大学教育の可能性を追求しています。 |
所属学会(役職) 及び受賞歴 | 社会デザイン学会(副会長)
日本ビジネス実務学会(監事) 日本キャリアデザイン学会 地域デザイン学会 |
主要業績 | 【著書】
?『企業人の社会貢献意識はどう変わったのか~社会的責任の自覚と実践~』ミネルヴァ書房 2016年8月 ?『女性の未来に大学ができること~大学における人材育成の新境地~』樹村房 2018年5月 ?『ジェンダー研究と社会デザインの現在』三恵社、2022年3月(共著) ?『女性のためのキャリアデザイン~20歳のときに知っておいてほしいこと~』樹村房 2022年4月(共著) ?『アニメ映画から学ぶ生き方のヒント~人生100年時代の女性のキャリア~』樹村房 2022年10月(共著) 【論文】 ?「社会化マネジメントの現状と相克~企業のボランティア支援を巡る考察~」『Social Design Review』Vol.3 2011年12月 ?「女性リーダー育成に向けた大学教育の挑戦~女子大学における「ビジネス?リーダー論」という試み~」『現代女性とキャリア』第5巻 2013年6月 ?「女性の活躍推進に向けた大学教育の挑戦~女子大学におけるゼミナールを通じた人材育成の試み~」『女性と文化』第1巻 2015年3月 ?「女子大学における人材育成の取組み~「未来人材育成モデル」構築の試み~」『NWEC実践研究』第7号 2017年2月 ?「群馬の未来に大学ができること~まち?ひと?しごと?女性?未来という5つの視座~」『群馬県立女子大学紀要』第40号 2019年2月 【その他】 ?「社会デザイン便り」『朝日新聞<群馬版>』連載 2015年7月-2017年3月 ?「オンライン教育の可能性~withコロナ時代の人材育成のヒント~」『人事マネジメント』連載 2020年11月~2021年6月 ?「女性活躍に「ガラスの床」対策を」(私見卓見)『日本経済新聞』2021年6月7日 |
社会活動、 文化活動等 | ?群馬県「ぐんま女性活躍推進プロジェクト実行委員会」アドバイザー 2014年7月 - 2015年3月
?群馬県「ぐんま女性活躍大応援団実行委員会」アドバイザー 2015年5月 - 2018年3月 ?群馬県「ぐんま女性ネットワーク会議」アドバイザー 2015年8月 - 2018年3月 ?群馬県「Gターン就職促進プロジェクトチーム」座長 2017年7月~2020年3月 ?長崎県「九州?沖縄地区男女共同参画センター等会議」基調講演講師 「だれもが輝ける社会を目指して~男女共同参画センターができること~」 2018年10月 ?ベネッセ「たまひよカレッジ」講師 「妻と夫のワーク?ライフ?バランス実践法」 2019年3月 ?高崎女子高等学校「グローバル?リーダー養成講座」講師 「グローバル人材の条件」 2023年2月 ?国連ウィメン日本協会東京「大学教育最前線:連続講座」講師「プロジェクト」「コンセプト」2022年10月~11月 ?日本能率協会「KAIKA Awards」検討委員 2017年4月~2022年3月 ?国立女性教育会館「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査研究」検討委員 2014年11月~2021年3月 ?新宿区「新宿区男女共同参画推進会議」委員 2020年7月~ ?品川区「品川区行動計画推進会議」委員 2022年7月~ ?一般社団法人WE association監事 2023年1月~ |